昇圧用IC YX8115 と乾電池1本を使ったLED点灯実験

 YX8115は100均のLEDライトなどによく使われているICで、乾電池1本でLEDがかなり明るく光ります。
 今回、ボビン型マイクロインダクターを数種類交換して、流れる電流がどのように変化するか実験してみました。

昇圧IC:YX8115 Aliexpressで20個141円
電池:1.2V Ni-Cd と 1.5V アルカリ乾電池
LED:8Φ砲弾型0.5W10000mCD Aliexpressで50個185円
インダクタ:10/22/33/47/100μH Aliexpressで各種合せて50個412円

回路図1を使用
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 テスターで回路全体に流れる電流を測定した
 
実験1
 Ni-Cd 1.2V1本(かっこ内は1.5Vアルカリ乾電池1本)を使用し、インダクタを変え、回路図1全体に流れる電流を測定
100μH 50mA
 47μH  65mA(100mA)
 33μH  90mA
 22μH  100mA(200mA)最大電流
 10μH  150mA

実験2
 YX8115をいくつか変えて、全体に流れる電流を測定したところ、IC個体により電流の大小が見られたが、大きく変わるものではなかった。22μH時に最大電流。

実験3
 電池の電圧が高くなると電流がかなり流れるようになる。実験1より
    1.2V (1.5V)
 47μH  65mA(100mA)
 22μH  100mA(200mA)
電圧が1.2VのNi-Cdなら、22/33μH辺り。1.5Vの乾電池では22μHでは200mAもの電流が流れる。LED1個に100mA以上流すのは早期劣化の原因となるので、インダクタとしては、33/47μH辺りがいいのではないか。

ノイズの発生
 近くにAMラジオを近づけると、ザーという雑音が入るが、20cm離れると気にならない程度。周波数は測定していない。


実験4
 回路図1で、1.2VNi-Cdを使い負荷LEDを2/3個並列にして回路全体の電流を測定。続いて、LED3個でインダクタを変えてみた。
    LED1個  2個  3個
10μH         160mA
22μH 128mA 164mA 180mA 最大電流。何故か16mAずつ増加した。
33μH         160mA
47μH         120mA
LEDを増やすともっと電流が流れると思ったがあまり増加しない。3個のLEDに均等に流れているかは不明。4/5個でも電流が少し増えるだけ。供給電圧に対する(LEDに流れる)電流は定電流になっているようだ。


実験5
 回路図1で、LED3個並列、1.2VNi-Cdから1.5V乾電池に変えてみた。
    1.2V (1.5V)
22μH 180mA(280mA)最大電流
33μH 160mA(240mA)

実験6
 回路図1で、LED3個並列、インダクタ22μH。可変定電圧電源を用いて、供給電圧を1.5V以上の電圧にしてみた。
    1.2V  1.5V  1.6V  1.7V
22μH 180mA 280mA 330mA 400mA

400mAに近づくにつれて、ICが指で熱く感じられ、熱暴走的に電流が増えるようになるので電圧を上げる実験を止めた。


まとめ
1. 回路図1で乾電池1本使用時は、インダクターが22μHの時に最大電流が流れ、効率最大。
2.LEDを並列にしても個数に比例して電流が増加することはない。定電流に近い。
3.供給電圧が1.5V以上で、YX8115(正確には回路図1全体)に流れる電流が400mAを越えると熱暴走する恐れがある。乾電池の電圧1.5Vを越えない方が良い。
4.回路から発生するノイズは大きくない。


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